LoRA Stable Diffusion

Stable Diffusion LoRA学習方法5選|初心者でもできるモデル作成と使い方完全ガイド

Stable Diffusionをもっと自由に、もっと自分好みにカスタマイズしたい。

そんなときに役立つのが、LoRA(Low-Rank Adaptation)です。

LoRAを使えば、特定のキャラクターや画風、アイテムの「特徴だけ」を学習させて、

モデル全体を作り直すことなく上書きのように追加できます。しかも、軽量・高速!

この記事では、初心者でもLoRAモデルを作成・活用できるようになる5つのステップを詳しく解説します。

Stable Diffusion LoRA学習方法:5選のステップでやるべきこと

Stable DiffusionでLoRAを使いこなすには、以下の5つのステップを順に進めるだけ!

  1. LoRAの基礎知識を理解する
  2. 学習環境とツールを整える
  3. 学習データを用意する
  4. パラメータを設定して学習する
  5. 学習後のモデルを活用・応用する

この流れに沿って、各ステップをわかりやすく解説していきます。

Stable Diffusion LoRA学習方法1:LoRAとは何か?基本を押さえよう

LoRA(Low-Rank Adaptation)は、

既存のAIモデルに対して「差分」だけを学習する手法です。

例えば、「このキャラクターの目の色を変えたい」「画風を水彩調に変えたい」など、

モデル全体を作り直す必要なく、LoRAで“追加する”ことができます。

LoRAと他の学習手法の違い

学習手法特徴向いている用途
Checkpoint(全体ファインチューニング)重いが自由度高モデル全体の改変
Textual Inversion軽量だが効果は限定的固有名詞・単語の追加
LoRA軽量かつ汎用的キャラクター再現、画風追加など

LoRAはまさに「軽くて、追加しやすい」スタイル学習手法として、

多くのユーザーに利用されています。

Stable Diffusion LoRA学習方法2:環境とツールを整えよう

LoRA学習には、次の2つの要素が必要です。

  • 学習ツール(主に「Kohya_ss」)
  • 学習環境(Google ColabまたはローカルPC)

Kohya_ssとは?

Kohya_ssは、Stable Diffusion用のLoRA学習ツールです。

GUIでもCLIでも使え、初心者でも比較的扱いやすいのが特徴です。

主な機能

  • 学習パラメータの細かい設定
  • キャプション(タグ)自動生成機能
  • 中断時のチェックポイント出力

GitHubから無料で導入可能です。Colab対応のノートブックも多数あります。

Colabとローカル、どちらがいい?

項目Google Colabローカル環境
費用無料~月額GPUが必要(数万円〜)
設定難易度低い高い(CUDAなど要調整)
セッション制限ありなし(自由)

まずはColabでお試し→うまくいったらローカル移行という流れが無理なく始められる方法です。

Stable Diffusion LoRA学習方法3:学習用データを準備しよう

LoRA学習では「画像データ」と「テキストタグ(キャプション)」が必要です。

学習画像のポイント

  • 推奨枚数:30〜100枚程度
  • 同じ対象・統一された背景や構図が望ましい
  • 高解像度(512×512や768×768)推奨
  • 雑な画像や複雑すぎる背景は除くこと
キャプション(タグ)の付け方

📝 キャプション(タグ)の付け方

1 ファイルを用意する
画像と同じファイル名の .txt ファイルを用意します
🖼️
image001.png
📄
image001.txt
2 タグを記述する
タグはカンマ区切りで記述します
記述例:
1girl, blonde hair, school uniform
3 自動キャプション機能を活用
Kohya_ss の自動キャプション機能を使うと便利です
メリット:
⚡ 大量の画像に自動でタグ付けが可能
⚡ 時間と労力を大幅に節約できる
4 タグを精査する
自動生成後に不要なタグは削除し、重要な特徴を残します
Before(自動生成):
1girl, blonde hair, blue eyes, school uniform, smile, outdoors, sky, tree, grass, fence, building
After(精査後):
1girl, blonde hair, blue eyes, school uniform, smile
💡 ポイント
✓ 重要な特徴(キャラクター、髪色、服装など)は必ず残す
✓ 背景の細かい要素は必要に応じて削除
✓ 学習目的に応じてタグの粒度を調整
✓ 一貫性のあるタグ付けを心がける
フォルダ構成図

📁 フォルダ構成の一例

📂 dataset/
📂 images/
│ ├ 🖼️ 0001.png
│ ├ 🖼️ 0002.png
📂 captions/
│ ├ 📄 0001.txt
│ ├ 📄 0002.txt
💡 構成の説明

dataset/ - ルートフォルダ

images/ - 画像ファイルを格納するフォルダ

captions/ - キャプション(テキスト)ファイルを格納するフォルダ

※ 画像ファイルとキャプションファイルは同じ番号で対応しています

ファイル名は半角英数字、スペースなしで統一しましょう。

Stable Diffusion LoRA学習方法4:パラメータを設定して学習しよう

画像とキャプションが準備できたら、いよいよ学習開始です。

代表的な学習パラメータ

パラメータ名説明
learning_rate学習率1e-4
batch_size同時に処理する画像数2~4
resolution入力解像度512 or 768
network_dimLoRAの次元数8 or 16
steps学習ステップ1000~5000

注意

高すぎる学習率はモデルが崩れる原因になります。まずは低めでスタートしましょう。

Kohya_ss Colab実行手順

Kohya_ss Colab実行手順

1
Kohya_ssのColabノートブックを開く
Google Colabで提供されているKohya_ssのノートブックにアクセスします
2
Google Driveをマウント
学習データや出力ファイルを保存するため、Google Driveを接続します
3
パラメータを入力して「Train」ボタンを押す
学習に必要なパラメータを設定し、トレーニングを開始します
4
中間ファイルの保存で切断対策
学習中に定期的に中間ファイルを保存することで、接続が切れても学習を再開できます

🎉 学習完了!

以下のファイルが生成されます

📁 出力ファイル
[モデル名].safetensors
保存先: Google Drive/outputs/
形式: LoRAモデルファイル(.safetensors)
サイズ: 通常 30~150MB程度
💡 次のステップ
1. ファイルをダウンロード
2. Stable DiffusionのLoRAフォルダに配置
3. 画像生成時にLoRAを読み込んで使用

Stable Diffusion LoRA学習方法5:学習後のモデルを活用しよう

LoRAモデルの使い方はとてもシンプルです。

Web UI - LoRAモデル使用手順

Web UI - LoRAモデル使用手順

簡単3ステップで始められます

1
ファイルを配置
学習済み .safetensors ファイルを以下のフォルダに入れます
models/Lora/
2
Web UIを再起動
ファイルを認識させるため、Web UIを一度再起動してください
3
プロンプトに追加
プロンプト欄に以下の形式で記述します
<lora:モデル名:0.7>

💡 ポイント

数字はLoRAの強さ(影響度)を表します。
0.5〜1.0 程度の範囲で調整して、お好みの結果を見つけましょう。

応用テクニック

  • キャラLoRA+画風LoRAを組み合わせて一枚絵に応用
  • 複数LoRAを同時に使う場合、重みを変えて干渉を避ける
  • SDXLなど大型モデルでも、専用LoRAで同様の活用が可能

よくある質問(FAQ)

LoRAは少ない画像でも作れますか?

はい、30枚程度からスタート可能ですが、精度を上げたい場合は50〜100枚以上を目指すとよいです。

Colabが途中で切れたらどうなる?

Kohya_ssでは途中保存(チェックポイント)できるので、そこから再開可能です。

モデルを公開しても問題ない?

素材の著作権や利用ルールを確認しましょう。Civitaiなどでは利用条件を明記する必要があります。

LoRAが反映されてない気がする…

重みが小さい・タグが一致していないなどが原因です。重みを調整し、プロンプトに対象タグを含めてください。

まとめ|Stable Diffusion LoRA学習方法で“自分だけの表現”を実現しよう

LoRAを使えば、軽量・効率的にオリジナル表現を追加できます。

大規模なファインチューニングをせずに、

キャラクター・服装・画風など細かい表現をコントロールできるのが魅力です。

初心者におすすめの進め方

初心者におすすめの進め方

1 Colabで小さく始めて、仕組みを理解
まずはGoogle Colabを使って基本的な仕組みを学びましょう。環境構築不要で気軽に始められます。
2 自動タグ生成 → 手動で修正
自動生成されたタグをベースに、手動で微調整を加えることで精度を高めていきます。
3 出力モデルをWeb UIで使って効果を確認
学習したモデルをWebインターフェースで実際に使用し、成果を確認しながら改善を繰り返します。

今後は「LoRA拡張(LoCon, LoHaなど)」や「SDXL対応」など、

さらなる進化も進んでいます。

まずは、1つ目のLoRAを自分で作ってみましょう。

きっと創作がもっと楽しくなります!

  • この記事を書いた人

すー | Suu

千葉県出身 旅とグルメが大好き フリーランスWebデザイナー

-LoRA, Stable Diffusion